「出光カラーが似合いすぎ問題!」トラックスタンスの真髄に触れる若きプライベーターのEG6シビックに迫る
背負ったグラフィックは速さの証明書 走り優先のメイキングに美しさへの拘りが息づく ベース車両は、オーナーの“やなぎ”さんが社会人になる直前に知人から7万円で購入した個体。しばらくはマイペースにイジりながら走りを楽しんでいたが、予期せぬクラッシュを機に方向転換。どうせ直すなら…と、大幅なリメイクを決意して現在の仕様へと進化させたという。 「とくにシビックに強い拘りがあったわけではなく、7万円という安さに釣られましたね(笑)」と、愛車との出会いを振り返る。 細部を見ていく。エンジンルームは群馬県伊勢崎市に店舗を構える“HERO”が製作。エアコンやパワステといった快適装備は全て撤去した上で、ワイヤータックやシェイブドベイの妙技を炸裂させ、見せるためのクオリティも極めた。 パワーチューンにも余念なく、エンジン本体はB16AからEK9などに搭載されたB16Bへとスイッチ。内部も戸田レーシング製の鍛造ハイコンプピストンやBカム、ナプレックによるヘッド面研など徹底的なポテンシャルアップが図られている。制御はアペックスのパワーFCによって行い、およそ200psを絞り出す仕様だ。 インテークには、チューニングエンジンにも対応できる容量と最適な内部構造を持つスカンク2製のインマニを投入。エキゾースト環境は、上流部から戸田レーシング製EXマニ、スプーン製センターパイプ、スプーン製N1マフラーというレイアウト。 ヘッドカバーはEFシビックのものを流用。これは出光カラーに仕様変更の際に導入されたアイテムだ。聞けば、当時の資料を見ると実車の出光シビックもEFのヘッドカバーを採用していたのだとか。 サスペンションはアペックスのN1ダンパー(F22kg/mm R18kg/mm)を軸に構築。ブレーキにはディクセルのキットを用いて、前後にEK9用のキャリパーとローターを投入している。ホイールはエンケイのRPF1RS(8.0J+28)で、タイヤはアドバンA050(FR205/50-15)。タイヤレターに絶妙に被る車高が、やなぎさんの辿り着いたベストセッティングだ。 室内は最低限の内張りのみを残したドンガラ&シングルシート仕様。車重は900kg程度というから恐れ入る。シートはブリッドのジーグIII、ロールケージはサイトウロールケージ製の11点式だ。 ミッションはATSのクロスギヤキットを組み込みつつ、IRPのシフターを合わせてクイックシフト化。その後方に確認できるのは、チェイスベイ製のブレーキバランサーだ。 そして特徴的な出光カラーについては、シビック入手前から憧れがあったそうだが、実際にこのカラーリングの施工を決意したのは2022年に入ってからだったりする。 その理由について、やなぎさんは「シビックの出自を考えれば、出光カラーが似合うのは分かっていました。でも、実際にサーキットで速い車両でやってこそ意味があると思ったんです。なので、自分の中でハードルを作ったんです」と語る。 自らに課したハードル、それはずばり「日光サーキット38秒」である。40秒切りが一つのステータスになっているステージであることを考えれば、かなりの難関だ。しかも、走りに全振りした生粋のサーキットスペックではない。 しかし、諦めずにセッティングを見直しながら走り込みを続けた結果、2021年のタイムアタックシーズンで見事に目標を達成。晴れて、出光カラーへの仕様変更に踏み切ったのである。…
がんにも成人病にもならない「山村の小さな人たち」――身長と寿命の驚くべき関係が判明
「身長と寿命の驚くべき法則が判明(後編)」 前編でご紹介した通り、「体の大きさ」と「寿命」とには密接な関係がある。 デンマークの分子生物学者、ニクラス・ブレンボー氏の著書『寿命ハック―死なない細胞、老いない身体―』によれば、「大きな動物は小さな動物よりも長生きしやすい。しかし同じ種の中では小さいほうが長寿である」といえるのだという。 速報“あごカチ割るぞ” 河野太郎大臣の側近議員の暴行、パワハラ事件の舞台裏 速報「普通の子やけえ…」自衛隊銃乱射、容疑者の父が語った胸の内 複雑な家庭環境と、友人に語っていた「海外で銃を撃ちたい」 このルールを人類に当てはめれば、背の低い人は高い人よりも長生きだということになる。果たしてそうなのか。実生活ではワリを食っていることが多い「小さい人」たちは、長い目で見ると健康長寿を享受しているのか。 同書には、海外の「小人症」の人たちにまつわる驚くべき事例と長寿にまつわる最新の研究成果が紹介されている(以下、『寿命ハック』から抜粋・引用) (前後編の後編/前編を読む) *** 山村の小さな人たち スペイン人が初めてアメリカ大陸に足を踏み入れてからおよそ500年後、南米のエクアドルで、研修を終えたばかりの若い医師が子供の頃から不思議に思っていたことに思いを巡らせていた。ハイメ・ゲバラ・アギーレという名のこの医師は、幼い頃に故郷の近くで何人もの小人症の人に会ったことを覚えていた。医学博士になったばかりの彼は、小人症の原因を解き明かすことを思い立ち、ロハ県の山間部にある故郷に戻った。そこから目的地の山村までは馬に乗っていくしかない。しかし、その苦労は報われた。記憶していた通り、自分の親族のミニチュアのような人々に会うことができた。 彼らは皆、ラロン症候群だった。また、彼ら自身は知らなかったが、イスラエルのラロン症候群患者の遠い親戚でもあった。このエクアドルの患者たちは、キリスト教に改宗した後にアメリカに渡ったスペイン系ユダヤ人の血をいくらか引いていた。 一方、イスラエルの患者たちは、信仰を守るためにスペインを離れるという、逆の選択をしたスペイン系ユダヤ人の子孫だった。歴史の曲がり角で、この二つの集団は別々の道を選んだが、ラロン症候群が彼らを再び引き合わせたのだ。現在では、彼らの祖先の誰かに成長ホルモン受容体遺伝子の変異が起きたことがわかっている。もっとも、変異した遺伝子を一つ受け継ぐだけでは、ラロン症候群は発症しない。もう一方の親から受け継いだ正常な遺伝子が働くので、身長が普通の人より数センチメートル低くなるだけだ。ところが、変異した遺伝子を両方の親から受け継ぐと、正常に機能する受容体がないため、ラロン症候群を発症する。現在のイスラエルでは、ラロン症候群はまれだ。父親と母親がどちらもラロン症候群の変異を持っていて、それを子どもが受け継ぐことはまずありえないからだ。一方、ロハ県の辺ぴな山奥にある村では、ラロン症候群はより一般的だ。理由はバーンのアーミッシュの場合と同じだ。この地域は孤立していて、もともと移住したのは少人数の集団だった。それらの人々が近親交配を繰り返し、人口が増えるにしたがって、ラロン症候群の数も増えていったのだ。 がんにならない人たち つまりゲバラ・アギーレは、ラロン症候群を研究するのに最適な場所を知っていたのである。彼はさっそく研究にとりかかり、じきに驚くべき発見をした。ラロン症候群の患者はほとんどがんにならないことがわかったのだ。長い研究期間を通じて、発見されたがん患者はひとりだけだった。がんは腫瘍の過剰な成長を特徴とするので、成長ホルモンの欠如ががんを防ぐのは、理にかなっているように思える。しかし、ラロン症候群の患者は、他の加齢に伴う病気にもならない。心血管疾患にも認知症にも糖尿病にもならず、ニキビさえできないのだ。エクアドルのラロン症候群の患者の多くは太りすぎで、加工食品を多く取っていたのだが。まるで、不健康な生活をしていてもラロン症候群の変異遺伝子が病気から守ってくれているかのようだ。 ラロン症候群のネズミ…
死亡率が極めて高い「脳を食べる」アメーバの特効薬が”既存の薬”から見つかる!
意外な薬が特効薬になりました。 米国のカリフォルニア大学(University of California)で行われた研究によって、「脳を食べる」アメーバ(Balamuthia mandrillaris:以下B.マンドリラリス)に感染した54歳の男性に、既存の尿路感染症の治療薬「ニトロキソリン」を投与したところ、1週間あまりで病状が回復したことが判明しました。 脳を食べるアメーバ「B.マンドリラリス」の感染によって引き起こされる「肉腫性アメーバ脳炎」を発症した場合の死亡率は90%以上となっていましたが、今回の研究によって特効薬が存在する可能性が明らかにされました。 研究内容の詳細は2023年1月に『Emerging Infectious Diseases』にて公開されました。 目次 「脳を食べる」アメーバに対する特効薬を発見!1週間で改善 2021年の夏、米国に居住する54歳の男性が突然原因不明の発作を発し、北カリフォルニアの病院に運ばれました。 直ぐに病院はMRIをはじめとした検査を行い、結果、男性の左脳に奇妙な腫れが存在していることが判明します。 そこで医師たちは男性の病変した脳の一部と髄液を採取し、原因の分析を行いました。 すると男性の脳には「脳を食べる」アメーバとして知られるB.マンドリラリスが存在することが明らかになりました。 B.マンドリラリスは通常、土壌・ほこり・水中に潜んでおり、肺や皮膚の傷口から体内に侵入すると考えられています。…
“若返りホルモン”を分泌させる「骨トレ」の方法は? 糖尿病、動脈硬化、認知症にも効果が
高齢化の進展で骨粗鬆症(こつそしょうしょう)はがんより怖い病気になりつつある。防ぐ決め手は「オステオカルシン」。運動によって分泌を促すことができ、骨だけでなくさまざまな臓器や脳にも効く若返りホルモンだ。『抜群の若返り!「骨トレ100秒」』の著者・太田博明氏が解説する。 *** 【写真を見る】骨トレを提唱する太田博明特任教授 最初にちょっと怖い数字をご紹介しましょう。日本には現在、骨粗鬆症の患者さんが女性で約980万人、男性が約300万人います。この病気は高齢者に多く、進行すると簡単に骨折してしまうのですが、骨を折ってしまった場合、その後はどうなるのでしょうか。 オーストラリアで発表された論文によると、75歳以上で大腿骨を骨折した方の5年生存率は女性が36.3%、男性だとわずか10.2%しかない。生命予後が非常に悪いのです。もともと高齢なので余命が限られているということもありますが、医療の進歩でがん全体の5年生存率が6割を超えるまでに改善していることを考えると、年を取ってからの骨折がいかに恐ろしくて、命に関わるのかということが、お分かりでしょう。 太田博明特任教授(他の写真を見る) 骨の健康を研究する理由 日本人の生命寿命は世界でもトップクラスですが、最近注目されているのは、健康でいられる時間、つまり健康寿命です。その健康寿命を失う原因でもっとも多いのは、運動器(骨や筋肉など)の疾患であることが分かっています。医学の世界では「筋骨連関」と呼びますが、骨と筋肉は密接な関係にあり、骨が健康だと筋肉の張りもいい。逆に筋肉がダメージを受けると、骨も衰えてしまう。骨折によって歩けなくなったり、体を動かすのがおっくうになると、筋肉量もぐんと落ちる。なかには「サルコペニア」といわれる、筋肉が減少した状態になる人もいます。すると、いろんな病気を引き寄せてしまうのです。また、体を動かせなくなった結果、肥満が進んで糖尿病になるケースもある。骨粗鬆症による骨折は生活の質を著しく落としてしまうのです。 実を言うと、私が産婦人科医として、骨の健康を研究している理由はここにあります。 骨がスカスカになる原因は(他の写真を見る) なぜ骨はスカスカになる? もともと産婦人科における私の専門は、更年期に入った女性の予防医学です。閉経が近づいた女性は様々さまざまな不調や病気を患います。更年期障害もその一つです。研究しているうち、対象が高齢者全体に広がり、いつの間にか抗加齢医学を手掛けるようになった。あまり知られていませんが、実は高齢者の病気で一番多いのが骨粗鬆症です。読んで字のとおり、骨の中がスカスカになってしまう病気で、自分でも気が付かないうちに進行し、何かの拍子で骨折してしまう。しかも、一度ではなく何度も折ってしまう。なぜ、骨がスカスカになってしまうのでしょうか。 骨の中には、司令塔役の「骨細胞」、そして骨細胞から指示を受けて骨を壊す「破骨細胞」、逆に骨細胞の命令で骨を作る「骨芽細胞」の三つがあります。その量は骨細胞が90%、破骨細胞が9%、そして骨芽細胞が1%の割合です。骨芽細胞は破骨細胞の9分の1しかなく、いうなれば、骨の中は“解体屋”のほうが圧倒的に多い。若い時は骨芽細胞が頑張って骨を作ってくれるのでバランスが取れているのですが、もともと破骨細胞のほうが多いものだから、加齢とともに骨を壊す力が強くなってしまうのです。特に女性の場合は更年期に入ると、ホルモンが減り、それまで働きを抑えていた破骨細胞を止められなくなり、骨芽細胞を刺激できなくなる。冒頭でも紹介しましたが、骨粗鬆症患者の8割は女性です。これを治したいというのが、私の出発点でもあったわけです。 骨を増やす働きをする「オステオカルシン」 骨から染み出る「オステオカルシン」とは(他の写真を見る) 骨粗鬆症は海外でも予防や治療法について昔から研究されてきましたが、2007年に米コロンビア大学のジェラール・カーセンティー教授が、ある物質に関する研究を発表しました。それが、「オステオカルシン」です。…
一年中温度を一定に保つ地下温室「ワリピニ温室」の仕組み
断熱性に優れた温室で作物を栽培し、厳しい冬や乾燥した夏による作物への影響を減らす「ワリピニ」という伝統的な温室があります。この温室に魅せられた園芸家のライアン氏が実際にワリピニを建築し、ワリピニの利点や育てるべき作物、かかった費用について解説しました。 Sunken Greenhouse: The Solution To Plant Year Round – The Tiny Lifehttps://thetinylife.com/sunken-greenhouse/ ライアン氏はもともと趣味で家庭菜園に熱中していましたが、天候に左右される現状にやきもきし、1年中好きに使えるワリピニの話を聞いて実際に試してみたいと考えたそうです。 ワリピニが通常の温室と大きく異なるのは、床を掘り下げた「竪穴式」のデザインになっていること。作物を植える地面が周囲の地盤より低く、熱気と冷気の両方が保持されるような設計になっており、これにより室内の温度が一定に保たれます。 従来の温室は四方をガラスの壁で囲み、屋根もガラスで作られています。この温室は早く暖まることはできても、長時間にわたって温度を維持することはできません。…
「たった3つの動詞」で英語が話し始められる!インド式英語学習法とは?
非英語圏であるインドと日本は環境が同じであるにも関わらず、インドの方が日本より英語が話せる人が多いイメージではありませんか? その理由は「インド独特の英語学習法」にあるようです。インド式英語学習法では、日本人がこれまでしてきた丸暗記や単語の繰り返し練習などをすることなく、伝わる英語が話せるようにそう。もちろんデメリットもありますが、「たった3つの動詞」と「2つの前置詞」で英語が話し始められるなど、ハードルが低く英語に苦手意識がある人でも始めやすい学習法です。そこで今回は、インド式英語学習法について詳しく解説します。 もくじ 世界に存在するいろいろな英語 インド式英語学習法についての解説なのに、「どうして世界に存在するいろいろな英語についてなの?」と疑問に感じるかもしれませんね。けれども世界に存在するいろいろな英語を知ることで、英語を話すことに対する苦手意識が払拭できるので簡単に見ていきます。 インド英語は世界に存在する英語の1つ 英語が第1言語の国としてまず思い浮かぶのは、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどでしょう。イギリスのシェフィールド大学によると、英語を母国語とする国は、これらの国を含む19カ国だそうです。また、英語を公用語とする国は、フィリピン、カナダ、アイルランド、南アフリカ、シンガポールなど多く存在します。 それぞれの国で話される英語はかなり異なり、「オーストラリアの英語はアクセントが強くて分かりにくい」「シンガポールの英語はシングリッシュだ」など、さまざまな意見が存在します。アメリカ人は「自国の英語が正しい」と言わんばかりに動画などで他人の英語を評価していますが、アメリカでも地域によってアクセントは大きく異なります。 つまり、英語圏の国の中でもアクセントや使われる単語・表現などが異なるということ。ときには英語ネイティブ同士でもコミュニケーションがスムーズにとれない場合があります。 インド人の英語を聞いたことがある人は、「彼らの英語はアクセントが強くて聞きとりづらい」と感じたかもしれませんが、インド英語も世界に存在する英語の1つにすぎません。 世界に多く存在するいろいろな英語は、「どれが正しくてどれが間違っている」と優劣をつけるものではなく、ただ単に違っているだけです。江戸時代の日本語を現代人が話さないように、言語は年月の流れとともに変わっていくので、それぞれの国の英語が違っている背景には歴史的・文化的な影響があると考えられます。 出典:List of majority native English…
プラスチックは太陽と細菌が分解、だからもう大丈夫?
まだダメです。 地球の海がどんなに汚染されてるか、考えると気が遠くなっちゃいます。だから技術的にどうにかできないの?って期待もありますよね。 たしかにそれに応えるような研究もあるし、プラスチックを食べる細菌の存在も明らかになってます。 じゃあそんな細菌を増やせばいいんじゃないの?なんて思われるかもしれませんが、専門家によれば、そんなに簡単じゃないようです。 プラスチックはどこに消えてる? 今年1月と2月にMarine Pollution Bulletinに発表された王立オランダ海洋研究所の論文が、「消えたプラスチックの謎」に迫っています。つまり、海に捨てられるゴミがどこにいくのかを詳細に追っているのです。 人間は毎年約800万トンのプラスチックを海に捨てていて、換算すると1分毎にダンプトラックいっぱいのゴミを捨ててるようなものです。 でももうひとつ知られてないのは、そのかなりの部分がどこかに消えてることです。 海面に浮かんで浜辺に打ち上げられるのは、全体のたった1%ほどに過ぎません。専門家の間では、自然の何らかのプロセスがプラスチックの分解を助けて、海水に溶かしているのではないかという仮説が立てられています。 紫外線はプラスチックを劣化させる 今年1月に発表された論文では、その謎のカギを太陽に求めています。 論文主著者でユトレヒト大学の博士課程に在籍するAnnalisa Delre氏はEartherに対しメールで説明しました。 人間がビーチで日焼けをするように、紫外線はプラスチックポリマーの分子構造も劣化させます。紫外線はつまり、長い炭素の鎖を細かく断ち切るのです。…
だれが何をやっても日本円は紙くずになってしまう…日銀総裁が「東大の経済学者」となった本当の理由
日本経済はこれからどうなるのか。モルガン銀行(現・JPモルガン・チェース銀行)元日本代表の藤巻健史さんは「日銀の黒田東彦総裁の後任に、経済学者の植田和男・元日銀審議委員が就任する見込みになった。だが、誰が総裁になっても『日本円の紙くず化』は避けられない」という――。 日銀総裁を誰も引き受けようとしなかった 2月10日、次期日銀総裁に植田和男・元日銀審議員を起用する、というニュースが飛び込んできた。14日には正副総裁の人事案が国会に提示された。総裁候補は植田氏、副総裁候補は氷見野良三前金融庁長官、内田眞一日銀理事だ。 このニュースで私が最も注目するポイントは、日銀マン、元日銀マン全員が次期総裁職を固辞したことだ。このことから日銀財務の悲惨さが垣間見える。 昔から日銀総裁は財務省と日銀が交代で就任する慣行があり、今回は日銀マンの番だった。しかも総裁職は日銀マンにとって「垂涎の的」であるはずだ。 しかし、日銀マン、元日銀マンは誰一人として職を受けなかった。 下馬評で最有力とされた雨宮正佳副総裁も、元副総裁の中曽宏氏も、そして山口広秀元副総裁も総裁とならなかった。女性副総裁候補No.1と言われていた元日銀マンの翁百合氏も副総裁に就任しなかった。 日銀マンや元日銀マンは、就任を依頼されても、皆、逃げ切った。さらには、かつては日銀と総裁職を強烈に取り合った財務省OBさえも受けなかった。 私自身は、日銀な悲惨な現状を鑑み、雨宮副総裁も中曽前副総裁も次期総裁職を引き受けないだろうと予想し、SNSで発信してきた。そして日銀マンが全員固辞することで日銀の窮状が理解できるだろう、と説いてきた。それが現実になってしまった。 新総裁は「火中の時限爆弾」を拾う仕事が待っている そりゃ、そうだろう。 次期日銀総裁には「火中の栗」を拾うどころか「火中の時限爆弾」を拾うような仕事が待っているからだ。次期日銀総裁は、72年の私の人生で見てきた中で、最も過酷な公職になっている。 黒田日銀は、お金を市場に大量に流し込み、史上稀まれなる強烈な量的緩和を続けてきた。そのために国債の爆買いを続けて、長期国債の金利をコントロールしようとし、挙げ句の果てに株価を買い支えアベノミクスを支えた。それによって日銀の財務は急速に悪化した。 長期国債を大量に保有しているため、金利が少しでも上がれば(=国債価格の下落)、日銀は巨額な含み損を抱える。中央銀行の信用にかかわる異常事態だ。中央銀行が信用を失えばどうなるか。通貨の信用が失われる、すなわち日本円の紙くず化という最悪の事態も考えられる。 日銀とは、一般国民には遠い存在だ。国民が預金をすることはできず、日銀に直接かかわることはほぼない。それがゆえに、今の日銀が、いかに悲惨な状況なのかを理解しにくいと思う。 しかし日銀マンにはわかる。内部に入ればいるほど悲惨さがわかるはずだ。だから総裁職から逃げ、誰も引き受けようとしなかった。それだけ日銀は黒田総裁の「異次元の金融緩和」で後には引けないところまで来てしまった。…
「世界を牛耳る悪の秘密結社」を祭り上げたのは誰? 230年以上も語り継がれた“イルミナティ陰謀論”の真相は…
インターネットを中心に情報が溢れ、ただでさえ事実の見極めが難しいこの時代、荒唐無稽な「陰謀論」を信じてしまう人が増えている。コロナ禍、不況、先の見えない生活への不安から、藁をも掴む気持ちで陰謀論に救いを求めてしまう人が多いのかもしれない。 ここでは、さまざまな都市伝説や陰謀論の信憑性を検証した『謎解き「都市伝説」』(彩図社)より一部を抜粋。世界中で信じられている「秘密結社フリーメイソン」と並んで有名な伝説「超秘密結社イルミナティ」の真相を解き明かす。(全2回の2回目/前編を読む) 『超秘密結社イルミナティ』伝説の内容は… 世界征服を狙う秘密結社フリーメイソンの陰謀は、一般の人々の間でもかなり広く知られるようになってきた。だが、フリーメイソンの裏にさらなる超秘密結社が隠れていることをまだ多くの人が気がついていない。フリーメイソンを裏から自在に操る人類史上最悪最強の超秘密結社、それが「イルミナティ」だ。 超秘密結社イルミナティは1776年5月1日、ドイツ南部のバイエルン王国で結成された。その地名から「バイエルン啓明結社」とか「バヴァリア幻想教団」などとも呼ばれている。イルミナティを創造したのは、当時インゴルシュタット大学で法学部教授を務めていたアダム・ヴァイスハウプト(※1)。彼はまたフリーメイソンの会員でもあった。 ヴァイスハウプトは、当初イエズス会士から教育を受けていた。だが彼はやがて既存の教会に対し激しい嫌悪を抱くように変わっていき、さらに教会や王や貴族といった上流階級だけでなく、国家や社会規範などすべての権威を打ち倒す必要があると考える危険思想へと染まっていった。人類を堕落させ、精神的な奴隷とすることを目的にした超秘密結社イルミナティは、こうして結成された。 悪の組織イルミナティは、結成後3000人を超える会員を擁する大結社へとすぐに成長していき、今もまた人類の歴史をその裏から誰にも気が付かれぬようにそっと操っているのである。 『超秘密結社イルミナティ』伝説の真相 「イルミナティなんて団体、本当にあるの?」という質問を時々聞くが、その問への正しい答えは、「かつては確かに実在していた結社」ということだ。つまり過去完了形の団体であって、イルミナティは昔は存在していたものの、今はもう解散して存在していない。 今もイルミナティと名乗っている団体がいくつかあるにはあるが、それはかつて実在した本物のイルミナティの名を借りているいわば「真似っ子団体」に過ぎず、消え去った元祖イルミナティとは何の繋がりもない。 最強の秘密結社「イルミナティ」の実像 イルミナティやフリーメイソンといった秘密結社が活発な活動をしていた1784年、バイエルン王国はこれら秘密結社の存在に危惧を抱いて、あらゆる結社の活動を停止する勅令を発令した。この勅令によってまだ結成8年目だったイルミナティは、大弾圧をくらうこととなった。弾圧によって自分の身に危険を感じたアダム・ヴァイスハウプトは、近隣のザクセン=ゴータ=アルテンブルク公国へと亡命、そのままバイエルン王国に帰ることもなく亡命先で30年近く過ごし亡くなっている。 つまり秘密結社イルミナティが、この世に存在できていたのは10年足らずに過ぎず、フランス革命が起きる前に解散させられていた組織だったのである。 それでも潰れて230年以上たった現在でも、裏で世界を操る「悪の秘密結社」とか言われ続けているのだから、秘密結社「イルミナティ」、はある意味大したものではある。最もこれは「イルミナティ」そのものの成果というよりも、よってたかって「イルミナティ」を世界を牛耳る悪の秘密結社に祭り上げてしまった陰謀論者のみなさんの業績といえる。 イルミナティとフランス革命の意外な関係 すぐに潰れてしまった軟弱組織イルミナティが、延々と生き続ける「世界を牛耳る悪の秘密結社」へと祭り上げられたのは、イルミナティが潰れた後に起きた「フランス革命」のお陰だった。…
オフロード仕様のスーパーカー? 「ウラカン ステラート」が日本上陸!
ランボルギーニは鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で開催した同社の60周年記念イベントで「ウラカン ステラート」をお披露目した。スーパースポーツカーの「ウラカン」をオフロード仕様に仕立てた不思議なクルマで、同社では限定1,499台を生産する予定だ。 走行モードに「ラリー」を追加 ウラカン ステラートは5.2LのV型10気筒エンジンを搭載する2ドアのスーパースポーツカー。「ウラカン EVO」に比べると車高が44mm高く、トレッド(左右タイヤの距離)はフロントが30mm、リアが34mm拡大している。最高出力はEVOの470kWに対してステラートが449kW、最高速度は同325km/hに対して260km/hとなるが、ステラートの方はサスペンションのストロークが増えていたり、走行モードに「ラリー」が追加となっていたりとオフロードに強い仕様になっている。 ランボルギーニはウラカン ステラートの生産を2023年2月中に開始し、初夏には納車を始める方針。生産台数は1,499台だという。 Source taken from: https://news.mynavi.jp/article/20230228-huracan-sterrato/?lead=&utm_source=pocket_saves&utm_medium=ios&utm_campaign=sp_app